プログラミングで研究授業をしたよ!
今回は、プログラミング教育の話題です。
実は、一学期にプログラミングの研究授業をしました。学年は、六年生です。
色々あって、急遽研究授業をすることになりました。
前提条件としては、
①六月末までは、移動教室に行っているので動けない。指導案の作成も、指導案の検討も全部、移動教室が終わってから。
②移動教室が終わってから、研究授業日まで約2週間。
③プログラミングが目的ではなく、教科のねらいをプログラミングで達成することが目的。
④学期末なので、単元はあまり自由に動かせない。
⑤プログラミングのことを、自分がよく知らない。
改めて考えると条件が厳し過ぎる、、、
愚痴を言ってもしょうがないので、
まずは授業が成立できるように考えました。
授業を成立させるために!
①②に関しては、自分が頑張るしないので、、、
プール当番とかを同じ分科会の先生に変わってもらいました。
③④に関しては、
プログラミングを表現で活用することで、
国語のねらいをそのまま活用することにしました。
単元は、二学期の単元を移動することで解決。
⑤プログラミングのことを自分がよく知らない。
に関しては、ICTの支援員の方や企業の方のお力を最大限に借りることにしました。
有り難いことに、勤務校はD社の支援を受けていて、企業の方のお力を借りることができます。
D社のSさんには、本当にお世話になりました。
授業に必要な技術面のパックアップは、全面的にお願いすることにしました。
以下に授業内容をまとめました。参考になれば幸いです。
1 単元名 令和 独楽吟を作って、自分なりの楽しさを友達に伝えよう
(国語 3時間扱い)
教材名 たのしみは(光村図書)
2 単元目標
<知識及び技能>
・短歌の条件を知り、条件に合わせて短歌を作ることができる。
<思考力、判断力、表現力>
・作った短歌を発表し合い、自分の思いや表現のしかたを伝えることができる。
<学びに向かう力、人間性等>
・自分なりの楽しさを短歌やプログラミングを通して表現しようとしている。
3 評価規準
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ア 知識及び技能
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イ 思考力、判断力、表現力
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ウ 学びに向かう力、
人間性等
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単元の
評価規準
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①短歌の条件を知り、条件に合わせて短歌を作ろうとしている。
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①作った短歌を発表し合い、自分の思いや表現のしかたを伝えようとしている。
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①自分なりの楽しさを短歌やプログラミングを通して表現しようとしている。
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学習活動に即した具体的な評価規準
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①独楽吟の短歌のはじめは「たのしみは」で始まり、終わりは「時」で終わることを理解している。
②短歌は5・7・5・7・7の文字数に沿って作るものということを理解している。
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①自分なりの楽しさを短歌を
通して伝えることができ
る。
②短歌をプログラミングで表現し、自分なりの楽しさや短歌への思いを発表している。
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①自分なりの楽しさを短歌で表現しようとする。
②短歌をプログラミングを通して表現しようとしている。
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4 単元観
橘曙覧の「独楽吟」をもとに、同じように、生活の中で楽しい気持ちになるときや、ほっとするときのことを思い出し、それを短歌にするという学習である。「たのしみ」をテーマに短歌を作るために、自分自身に取材し、どのような場面のどのような要素を取り上げようか考えることは、目的に応じて、書く事柄を収集し、整理する学習となる。また、短歌の形式にのっとり言葉を吟味していくことで、おのずと語感や、言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつことにもつなげていきたい。
橘曙覧の「独楽吟」は、「たのしみ」ではじまり、「時」で結ぶ形の短歌であるが、短歌の中では、珍しい「連作」である。「独楽吟」は、52首から成る同じ形式を繰り返した歌群である。民衆の偽らざる生活を歌っている。江戸時代の庶民生活の中での楽しみである、武士階級、公家階級の人々の知らないささやかな幸福感を歌っている。作品には、作者の明るく前向きな生き方が表れている。
児童感は割愛します。
(3) 年間指導計画における位置付け
(書くこと)
単元名
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教材
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身に付けたい力
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日光移動教室を伝えるパンフレットを作ろう
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ようこそ、私たちの町へ
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集めた事柄を整理し、見出しなど読む人のことを考えて工夫することができる。
【B書くこと-ア】
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令和 独楽吟を作って、自分なりの楽しさを友達に伝えよう
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たのしみは
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※評価規準参照
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意見文を書こう
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未来がよりよくあるために
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・構成を工夫して、自分の意見を明確に伝える文章を書くことができる。
【B書くこと-エ】
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絵画や写真を見て、感想を文章にまとめよう
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この絵、私はこう見る。
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・表現の効果を確かめたり、工夫したりして書くことができる。
【B書くこと-ウ】
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随筆を書こう
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忘れられない言葉
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・経験から書くことを決め、そこから自分の考えや気持ちを整理することができる。
【B書くこと-ア】
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(プログラミング教育)
教科名
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教材
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身に付けたい力
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国語
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たのしみは
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※評価規準参照
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総合的な学習の時間
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課題をプログラミングを使って解決しよう。
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○活動の手順を図で表すことができる。
○課題解決のために、プログラミングを活用できる。
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社会
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各単元
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○社会問題をフローチャート、関係図等で整理し、解決方法を考えることができる。
○社会状況をフローチャート、関係図等で整理することができる。
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道徳
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情報モラル
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○善悪の判断、自律、自由と責任、 規則の尊重などは、ネット社会でも日常社会と同様に重要であることが理解できる。(情報モラル)
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5 研究仮説に迫る手立て
1)教科のねらいが達成できる授業づくり
①教科のねらいを児童に解りやすく提示するために、過去の児童作品、福井市が主催している平成 独楽吟の作品、教師が作成した短歌、プログラミング資料を授業内で活用している。教師の作品などを単元の導入に提示し、児童が作品の表現や工夫をみずから考えることで教科のねらいを理解しやすくなると考えた。
②短歌の特性上、相手に伝える交流の場面を単元の最後に行いたいと考えた。今回は、相手をクラスの友達に設定している。伝える相手を明確にすることで、表現や工夫が生まれやすいと考えた。
③各教科のねらいに迫るために、教科横断的に単元を計画している。国語科の教科のねらいのみでは、プログラミングについて、理解を深めることは難しい。そこで、総合的な学習の時間で課題解決的にプログラミング教育を進めた。
また、橘曙覧の「独楽吟」に関しても、江戸時代という今と違う時代だが、日常のささやかな喜びを楽しむ心情は普遍的だと考える。ただ、江戸時代の時代背景や庶民の生活、文化を国語の授業の中で学習することは難しい。社会科の中で、江戸時代についての学習を進めている。
④本授業の主なねらいは、自分なりの楽しさを短歌やプログラミングを通して、伝えることである。コミュニケーションの上達の条件は、繰り返し取り組むことであると考える。本授業では、言語活動の基本形態をペア学習に設定している。伝える回数を多くすることで、コミュニケーションスキル向上の機会を数多く児童に与えたい。
⑤本単元では、毎時間の授業で指導する内容を焦点化している。毎回の授業で指導内容を明確にすることで、授業のゴールが明確になると考える。
⑥短歌の作成には、必要な条件や手順があることに、話し合いながら児童と考えた。
2)主体的・対話的で深い学び
①短歌を作るという課題を与えられると、抵抗を感じる児童は少なくない。本単元では、共通テーマを決め、さらに「楽しみで始まり、時で結ぶ」という約束事を設けているため、慣れない児童でも短歌を作成する際に、よりどころをもって取り組み、主体的に参加できると考えた。
②本単元は、「たのしみ」をテーマにしている。そのため、授業の中では、自分や友達が日常の中で感じている、ささやかではあるが、実に幸福な気持ちを取り上げていく。短歌での交流を通して、児童の間に対話的・肯定的な気持ちの交流ができると考えた。
3)プログラミング教育を通して
①本単元では、プログラミングは表現のための手段として活用している。あくまで、主役は短歌であり、プログラミングが上手な児童が評価される訳ではない。しかし、児童によってはプログラミングの操作や技能に目を奪われる可能性もある。あくまで、重要なのは短歌の内容だということを、繰り返し児童に伝えたい。
③総合的な学習でプログラミングを学習する際には、NHK for schoolの「Why プログラミング」の動画を活用している。短い動画の中に伝えたいポイントがあり、児童が飽きない。多様な方法でプログラミング的思考やプログラミングをする能力を児童に身に付けさせていきたい。
④本授業でプログラミングを作る際には、ストーリーボードを活用する。プログラミングを作る前に、児童が何を考え、どのように伝えたいのか、ストーリーボードにまとめてからプログラミングを作成する。また、支援が必要な児童にとっては、何もないところから、プログラミングを考えることは難しい。ストーリーボードを使うことで、思考を可視化させ、考える際の支援とする。
⑤総合的な学習の時間のプログラミング教育では、問題解決の過程で論理的に考え、試行錯誤する場を教師が意図的に設定した。国語の短歌づくりでも、言葉の並びや言葉の選択の場面で、試行錯誤する場を設定している。試行錯誤するよさを、全員が自ら生活や学習に活用しようとすることは難しい。教師が意図的に試行錯誤する場設定し、児童が主体的に活動することで、徐々に生活や学習でも試行錯誤する良さに気付くと考えた。
6 単元の指導計画 (3時間扱い)
次
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時
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主な学習内容
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主な支援内容
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評価規準
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<総合的な学習の時間> ※プログラミング教育(2時間)
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1
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1
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・これまでに暗唱した短歌や俳句を思い出し、学習計画を立てる。
・教材文「たのしみは」を読んで、学習課題「令和 独楽吟を作って、友達に紹介しよう」を設定する。
・児童が楽しいと思っていることをワークシートに書かせる。
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・児童の作品や平成 独楽吟の作品の中から、幾つかを選んで紹介する。パワーポイント(タブレット)を活用して、提示する。
・教材分はデジタル教科書を活用して、視覚的に提示する。
・ワークシートも、拡大機(タブレット)を活用して提示する。
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・独楽吟の短歌のはじめ
は「たのしみは」で始ま
り、終わりは「時」で終
わることを理解している。
(評価規準ア‐①)
[行動観察・ワークシート]
・自分なりの楽しさを短歌で表現しようとする。
(評価規準ウ‐①)
[行動観察・ワークシート]
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2
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・自分が短歌にしたい場面を決め、短歌の中心と状況設定を決める。
・短歌のリズムを確かめる。
短歌を作り始める。
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・ワークシートを拡大機(タブレット)を活用して提示し、スモールステップで教える。
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・短歌は5・7・5・7・7の文字数に沿って作るものということを理解している。
(評価規準ア‐②)
[行動観察・ワークシート]
・自分の思いを短歌を通して、伝えることができる。
(評価規準イ‐①)
[行動観察・ワークシート]
(評価規準ウ‐②)
[行動観察・プログラミングscratch教材]
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<総合的な学習の時間> ※プログラミング教育(3時間)
①自分で作成した短歌「独楽吟」をストーリーボードに表す。
②プログラミングソフト「スクラッチ」で、短歌「独楽吟」を表現する。
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<社会>(1時間)町人の文化と新しい学問
江戸の文化がどのように人々の間で親しまれていたのか調べる。
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2
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3
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自分なりの楽しさを、短歌やプログラミングを通して友達に伝えよう。
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・独楽吟クイズをしよう。
・作った令和 独楽吟を、友達に紹介する。
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・教師の独楽吟を聞き、本時の活動に興味をもつ。
・教師が作った独楽吟をパワーポイントで提示する。
・タブレットを活用して児童がプログラミングを友達に紹介する
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・短歌をプログラミングを通して表現しようとしている。
・短歌をプログラミング
で表現し、自分なりの楽
しさや短歌への思いを発
表できる。
(評価規準イ‐②)
[行動観察・ワークシート]
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7 本時の指導計画( 3/3時間扱い)
(1)本時の目標
・作った短歌を発表し合い、自分なりの楽しさを、短歌やプログラミングを通して友達に伝えること
ができる。
(2)本時の展開
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・学習活動 C 予想される児童の反応
T 教師の発問
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○留意事項 ☆支援 【】評価
◆ICT機器の活用
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導入 10分
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・独楽吟クイズをしよう。
色々な先生が作った独楽吟を聞き、どの先生が作ったのか当てる。
本時の学習課題を知る。
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◆先生が作った独楽吟をパワーポ
イントで提示する。
○事前に先生方に独楽吟を作成して
おいてもらう、
自分なりの楽しさを、短歌やプログラミングを通して友達に伝えよう。
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展開 25分
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・作った令和 独楽吟を、友達に紹介する。
①教師が作った独楽吟とプログラミング資料を模範例として、全体で確認する。
T:先生が作った独楽吟をもう一度紹介しま
す。
(アイコンタクトや声の大きさなどの基本的
な話す・聞く事項はこの時に伝える。)
T:先生は、この独楽吟を作ったのは~。
では、感想を付せんに書いてみましょう。
自分と相手の名前も書きましょう。
共感や良かったところを中心に書きまし
ょう。感想は短歌を中心に書きましょう。
C:(共感)ぼくも、○○が好きなので、○○
さんが作った独楽吟に共感します。
理由は、、、。
C:(良かったところ)○○さんの○○という
表現が良かったです。
C:(プログラミング)プログラミングは、キ
ャラクターの動きが短歌の○○を表現し
ていてよかったです。
②隣同士でペアで練習する。
③列で動き、ペアの相手を変え、令和 独楽吟を友達に紹介する。
④自分で相手を探し、令和 独楽吟を紹介する。
⑤代表児童が全員の前で令和 独楽吟を発表する。(時間に余裕があれば)
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◆児童がタブレットを活用して、
プログラミングで表現した
独楽吟を友達に伝える。
○共感をもって、友達の作品を聞くように指導する。
【短歌をプログラミングで表現し、自分なりの楽
しさや短歌への思いを発表している。】
(評価規準イ‐②)[行動観察・ワークシート・プログラミングscratch教材]
具体的な児童の姿
B 短歌を言葉で伝え、自分なりの思いやプログラミングの工夫を友達に伝えることができる。
A (例)複数の理由を、友達に伝えることができる。
Bに至らない児童への手だて
自分の思いを伝えられない児童には、①教師からの声掛け②事前の指導③教師の例等をもとに考えるように支援する。
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まとめ 10分
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・本時の感想を振り返りシートにまとめる。
・本時の感想を児童が発表する。
(時間に余裕があれば)
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◆児童の感想を、拡大機で提示する。
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(3)本時の板書計画
割愛します。
授業をした感想は、
普通にアナログで表現した方が効率的だけど、
今の子には合っているのかもと思いました。
単純に子どもの作品が面白かったというのがありますが。
一つの手段として、活用していきたいと思います。
プログラミングで俳句を表現!?国語でプログラミングやってみた。(指導案)の記事のご紹介でした。